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「死ぬくらいなら逃げなさい」
居酒屋の席で、主人公の春香が笑いながら言った一言です。相手は、突っ伏したまま「死にたい…」とつぶやき、すぐに「友達の話なんだけどね」と言い直したママ友の有紀ちゃんでした。その後、有紀ちゃんは4歳の息子ツバサ君を置いて、本当に姿を消します。
先に結論を言うと、有紀ちゃんは生きています。消えた理由は、保育園でささやかれた「男と逃げた」ではありません。育児を義母に取り上げられ、夫に相手にされず、逃げ場にしたパチンコで借金を作り、それが見つかって「出ていけ」と言われた。これが、掲載元のレタスクラブが公開している結末です。
『消えたママ友』は野原広子さんの全1巻の作品で、スカッとする場面はありません。制裁も復讐もなく、読み終えても重さが残ります。それでも、無料で読める25話分を読んだ私は、続きを買う側です。無料公開の25話を読んで分かったこと、結末、ツバサ君のその後、配信サイトごとの価格の差を、2026年10月7日時点でまとめました。
- 全1巻・7章|手塚治虫文化賞短編賞を受けたママ友ミステリー
- 4人のママ友と、有紀ちゃんの家の3人
- 無料の25話を読んで|復讐も制裁もないのに、手が止まらなかった
- 【ネタバレ】結末|有紀ちゃんが消えた理由は「男」ではなかった
- 無料でどこまで読める?|レタスクラブは25話、タテスク版は3話
- 全部読むといくら?|単行本1,210円、めちゃコミックの話読みは500pt
- 続きを読むなら|Renta!のタテスク版は3話まで無料
- 評価は★3.9〜4.3|低評価は「作品」より「ママ友」に向いている
- スカッとはしない|誰も裁かれず、いちばん小さい子が残される
- 親どうしの関係が壊れていく作品なら、あわせて読みたい2作
- 全話数・ツバサ君・映画について、よく聞かれること
- 答えの出ない話を読みたい人に向く。制裁を見たい人には向かない
- 『消えたママ友』の結末を6行でふり返る
全1巻・7章|手塚治虫文化賞短編賞を受けたママ友ミステリー
| タイトル | 消えたママ友 |
| 著者 | 野原広子 |
| 出版社・レーベル | KADOKAWA/コミックエッセイ |
| 掲載 | レタスクラブ |
| 発売日 | 2020年6月25日(紙・電子とも) |
| 巻数 | 全1巻(A5判・176ページ)/全7章 |
| 定価 | 1,210円(税込) |
| 受賞 | 第25回手塚治虫文化賞 短編賞 |
| 形式 | 4コマを縦に積む形式。フルカラー・縦スクロールの「タテスク版」(全7話)もある |
| 読者評価 | めちゃコミック ★3.9(1,888件)/Renta! ★3.9(109件)/コミックシーモア ★4.3(53件)/ブックライブ ★4.2(56件) |
章の題は、1章「消えたママ友」、2章「有紀ちゃんを探せ」、3章「本当のことなんて話したりしない」、4章「ママ友がいない」、5章「つないだ手」、6章「本当の有紀ちゃん」、7章「あの日」です。謎の答えは6章と7章にあります。
KADOKAWAは本作を「ミステリーコミックエッセイ」と紹介しています。絵は丸く素朴で、目は点、口は線。その絵で「死にたい」や「ぶった」が描かれます。
4人のママ友と、有紀ちゃんの家の3人
| 人物 | どんな人か | 子ども |
|---|---|---|
| 春香(30歳) | 主人公。食堂でパート勤務。元気すぎる息子のことで謝ってばかりいる | コー君(4歳) |
| 有紀(32歳) | 商社勤務。夫・息子・義母と暮らす。ある日、突然姿を消す | ツバサ君(4歳) |
| ヨリコ(35歳) | 夫の実家の店を手伝う。世話好きで、はっきりものを言う | リオちゃん(4歳)と小学生の姉 |
| 友子(26歳) | コンビニでアルバイト。4人の中でいちばん若い | すうちゃん(4歳) |
| 有紀の家族 | どんな人か |
|---|---|
| ノボル(33歳) | 有紀の夫。保育園では、子どもにも母親たちにも優しい父親で通っている |
| 綾子(58歳) | ノボルの母。同居して、ツバサ君の送り迎えも家事も引き受けている |
| ツバサ君(4歳) | 有紀の息子。おとなしく聞き分けがいい。おばあちゃん子 |
年齢と続柄は、レタスクラブの人物紹介のとおりです。作中では「春ちゃん」「ヨリちゃん」「友ちゃん」「有紀ちゃん」と呼び合っています。
無料の25話を読んで|復讐も制裁もないのに、手が止まらなかった
レタスクラブは、本作から抜き出した25回分を無料で公開しています。有紀ちゃんが消えた朝から、春香が隣町で有紀ちゃんを見つけるまで。ここに書くのは、その25回を読んだ範囲のことです。
読む前は、ママ友どうしの陰口や仲間外れを眺める話だと予想していました。外れました。陰口を言うのは遠くにいる顔のない母親たちで、春香たち3人はむしろ有紀ちゃんを悪く言えずに困っています。怖いのは悪意ではなく、善意で言った一言と、言わずに飲み込んだ一言のほうでした。
「朝4時に起きて作りました」を、有紀ちゃんは次のコマで取り消す
第5回は、4人が初めて会った保育園の遠足の回想です。有紀ちゃんの弁当は、ハート型の卵焼きにピックの刺さった華やかなもの。作り方を聞かれた有紀ちゃんは「へへっ 朝4時に起きて作りました」と答え、次のコマで自分から打ち消します。
「うそです うそです 主人の母が作ってくれたんです」
続けて、星の飛ぶ笑顔で「私が仕事してるからっておばあちゃんがなんでもしてくれて助かってます」。まわりの母親は「すごい上手ね おばあちゃん」と感心し、ツバサ君は「ママね きょうおしごとおやすみなのー」とはしゃぎます。
私はここを、見栄を張りきれない正直な人の場面として読みました。結末を知ってから読み直すと、意味が逆になります。「なんでもしてくれて助かってます」は自慢ではなく、弁当ひとつ作らせてもらえない人の報告でした。初対面の場面に答えがそのまま置いてあり、誰も気づかない。この1ページで、作りのうまい作品だと分かります。
いちばん怖いのは「死にたい」ではなく、春香の「逃げなさい」
第6回の飲み会。ヨリコと友子がトイレに立ったすきに、テーブルに突っ伏した有紀ちゃんが「死にたい…」と言います。聞き返されると「ううん うそ…」。そして「友達の話なんだけどね」「『死にたい』っていわれたら……どうする?」と言い直します。
春香の返事が、冒頭の「死ぬくらいなら逃げなさい」です。このコマの春香は、頬を赤くして笑っています。酔った席の、軽い励ましです。有紀ちゃんは「ありがとー …いっとく」と笑い返し、次のコマには人がいません。串の残った皿と箸だけの絵に、春香の独白が重なります。
「あれ 友達の話じゃなかったの?」
重い言葉を軽く受けた人を、作品は責めません。責めないまま、皿の絵だけを置いていきます。春香は翌朝、「だから有紀ちゃんはツバサ君を置いて出ていったのか」と考えはじめます。自分の一言が人の背中を押したかもしれない、という怖さは、怒鳴り声や暴力の場面よりずっと長く残りました。
ツバサ君の「ぶった」と、ノボルの「解放されたかったのかな」
第7回、保育園の玄関でツバサ君が春香に言います。「ママのこと ばんって ぶった」。春香が「パパが?」と問い返すと、次の回で「うそ」とだけ言って走っていきます。どちらのコマでもツバサ君は無表情の半目で、泣きも怒りもしません。
父親のノボルは、春香にもコー君にも感じのいい人として描かれつづけます。ところが第15回、有紀ちゃんの携帯を自分が持っている理由を「ごめん 有紀 携帯置いていったんだ」と説明したあと、こう漏らします。
「解放…されたかったのかな…」
何からの解放かを春香が聞くと、答えはありません。メガネの奥の目が変わり、春香は「『それ以上入ってこないで』そういう目」と受け取ります。妻が消えた理由を、妻の気持ちの問題として一言で片づける。怒鳴る男より、こういうごまかし方のうまい男のほうが、私はずっと腹が立ちます。妻の携帯を持ち歩きながら言うことか、とも言いたくなります。
ノボルが本当に手を上げたのかどうかは、25回の範囲でははっきりしません。「うそ」と言い直す子どもと、優しい顔を崩さない父親。どちらを信じるかを、作品は読む側に預けたまま進みます。
「男と逃げた」は誰が言い出したのか
第10回はヨリコの回です。ヨリコは数か月前、有紀ちゃんが夜の街で若い男と会っているのを見ていました。有紀ちゃんは誰にも言わないでと頼み、「もしかして不倫とか思った? 絶対ちがうから」と打ち消します。ヨリコは保育園の誰にも話していません。ただ、昔からの友だちには話していました。
「あ 内緒だよ あんた保育園と全然関係ないから話してんだからね」
そして現在、保育園では「男と逃げた」という噂が回っています。ヨリコは自分の話がもれたのではと不安になりますが、噂の出どころは25回の最後まで明かされません。約束は守った、でも外では話した。この「半分だけ守る」感じは、身に覚えのある人が多いはずです。ヨリコを悪者にしない描き方が、かえってこたえます。
折り鶴を捨てる綾子と、ツバサ君の「だってバカだもん」
子どもが傷つく場面は苦手です。そのうえで書くと、25回のなかでいちばんつらいのは第24回でした。
保育園のリズム会の日、ツバサ君がコー君にもらった青い折り鶴を祖母の綾子に見せます。綾子は「ヘタくそねぇ こんなのダメ」と言って握りつぶし、ごみ箱に捨てます。擬音は「クシャ」と「ぽいっ」だけ。見ていた春香の顔は、点の目と丸い口のアップです。春香は「ツバサ君のおばあちゃんて あんなだった?」と立ちつくします。遠足の日に「若いおばあちゃん!」と感心されていた人の印象が、この2コマで変わります。
そのあと、ほかの子に「ツバサくんのママは?」と聞かれたツバサ君は「ママなんて そんなの いいよ」と答えます。どうしてと重ねて聞かれて、こう言います。
「だってバカだもん」
画面は淡いピンクの大きな布と色とりどりの玉で埋まっていて、場面そのものは楽しい行事です。春香は心の中で「本当にそう思ってるの? それともだれかがそういってたの?」と問いかけます。4歳の子が自分の母親を「バカ」と言うとき、その言葉をどこで覚えたのか。答えは書かれていませんが、折り鶴の直後に置かれているので、読む側には伝わります。
最後のコマは、名前だけ|私は続きを買います
3人の仲は、子どもどうしの小さなもめごとと、「モンペ」という一語の聞き違いで壊れます。ひとりになった春香を気づかって、夫が隣町への外出に誘います。立ち寄ったピンクのキッチンカーで、髪をひとつに結んだ店員が「1100円からお預かりします」と言う。春香の顔が画面いっぱいになり、最後のコマは白地に文字だけです。
「有紀ちゃん」
無料公開はここで終わります。なぜ消えたのか、あの若い男は誰か、携帯はなぜノボルの手にあるのか。25回かけて積んだ問いに、答えがひとつも出ないところで止まります。
続きを買うかどうかで言えば、私は買います。25回のあいだ誰も裁かれず、スカッとする瞬間は一度もありません。それでも読み進めたのは、弁当の一言のように、答えが最初から絵の中に置いてある作品だからです。残りを読めば、25回分をもう一度違う意味で読み返せる。そこにお金を払う価値があります。逆に、悪い側がはっきり痛い目を見るところを読みたい人は、無料分で止めて構いません。その場面は、この先にもありません。
【ネタバレ】結末|有紀ちゃんが消えた理由は「男」ではなかった
ここからは、レタスクラブが公開している最終回までのあらすじをもとに、再会のあとの流れを書きます。
紙袋の中の「連絡する」
キッチンカーの有紀ちゃんは、春香の呼びかけに答えません。他人のようにふるまいます。ただ、手渡された紙袋の中に「連絡する」と書かれた手紙が入っていました。
その後、春香・ヨリコ・友子の誤解は解け、3人は元の関係に戻ります。そこへヨリコのもとに有紀ちゃんから連絡が入り、4人は夜の公園で会うことになります。
夜の公園で有紀ちゃんが話したこと
ブランコに座った有紀ちゃんは、「私はあなたたちが思っているような人間じゃない」「よそゆきの顔をしていただけ」と話しはじめます。
- もともと子ども好きではなかったが、産んでみると息子がかわいくてたまらなかった
- 「仕事を辞めて育児に専念したい」と夫と義母に申し出たが、もったいないと反対された
- 復職後、家事も育児もツバサ君と寝るのも義母の役目になった。出張先から声を聞こうと電話しても取り次いでもらえなかった
- 夫に相談すると「母さんは好きでやってくれている」「これが不満なら単なるわがまま」と返された
- ツバサ君は義母になつき、有紀ちゃんは家の中に居場所がないと感じて出ていった
遠足の弁当も、きれいなネイルも、手のかからない息子も、3人がうらやましがったものは全部「母親をさせてもらえない」ことの裏返しでした。第15回でノボルが言った「解放されたかったのかな」が、どれほど的外れだったかも、ここで分かります。
ママ友には話さなかった「あの日」|パチンコと借金
4人が「またね」と別れたあと、有紀ちゃんだけの回想が始まります。ママ友には話さなかった部分です。
会社帰りにふと入ったパチンコ店。打っているあいだだけは、義母のことも、自分を必要としていないように見える息子のことも忘れられた。通いつめた結果、多額の借金を抱え、それが家族に見つかります。義母と夫に「家を出ていけ」と責められ、ツバサ君を連れて出ようとしてかなわず、ひとりで飛び出しました。そこで偶然会ったのが、以前パチンコ店で言葉を交わしたことのある男性です。
「男と逃げた」という噂とは、順番が違います。あらすじのとおりなら、有紀ちゃんは男性のために家を出たのではなく、追い出されるようにして出た先でその人に会っています。ヨリコが夜の街で見た若い男との関係は、公開されているあらすじには書かれていません。
有紀ちゃんは今、ときどき胸が痛むものの、自分らしく幸せに暮らせていると感じています。
ツバサ君のその後と、最後の場面
レタスクラブのあらすじは、最後の数ページを伏せています。書かれているのは次の2点までです。
- 元の日常に戻った3人のうちの1人が、先の見える平凡な毎日に物足りなさを感じ、その本音をふとつぶやく
- 残されたツバサ君が、周囲の大人が「ゾッとするような行動」を見せるようになる
ツバサ君の行動について、読者の感想には虫が出てくるものが目立ちます。
「あの最後の頭がもげた虫はツバサくんそのものなんだろうな…」(コミックシーモアのレビュー)
「最後に ママ笑ってた?って聞かれて うんて答えないで欲しかったよ。」(めちゃコミックのレビュー)
母親を「バカ」と教えられて育つ子が、どこへ向かうのか。作品は答えを出さずに終わるようです。有紀ちゃんは逃げて楽になり、義母と夫は何も失わず、いちばん小さい子だけが取り残される。この終わり方が、あとで見る低評価のいちばんの理由です。
無料でどこまで読める?|レタスクラブは25話、タテスク版は3話
| 読める場所 | 区切り | 無料の範囲 |
|---|---|---|
| レタスクラブ(掲載元) | 全25回 | 25回すべて無料。有紀ちゃんと再会する場面まで |
| Renta! タテスク版 | 全7話 | 1〜3話 |
| コミックシーモア タテスク版 | 全7巻 | 1〜3巻 |
| ブックライブ タテスク版 | 全7巻 | 1〜3巻 |
| めちゃコミック タテスク版 | 全7話 | 1〜3話 |
| めちゃコミック 単行本版 | 全10話 | 無料試し読みあり |
いちばん先まで無料で読めるのは、レタスクラブの連載ページです。第1回「有紀ちゃんが消えた」から第25回「距離」まで、2026年6月に公開されました。ただし書籍からの抜粋で、1回は4コマを縦に並べた画像6〜12枚分です。有紀ちゃんの告白と結末は入っていません。
同じ1冊が、レタスクラブでは25回、めちゃコミックでは10話、タテスク版では7話に分かれています。「全25話」「全10話」「全7話」は、区切り方が違うだけです。
全部読むといくら?|単行本1,210円、めちゃコミックの話読みは500pt
| 買い方 | 最後まで読む合計 |
|---|---|
| 紙の単行本 | 1,210円(税込) |
| ブックライブ 単行本 | 1,210円(税込) |
| コミックシーモア 単行本 | 1,100pt/1,210円(税込) |
| Renta! 単行本 | 購入 1,100ポイント(レンタルなし) |
| めちゃコミック 話読み | 1話50pt × 10話 = 500pt |
| タテスク版(Renta!・めちゃコミック) | 1〜3話 無料、4〜7話 各60ポイント = 240ポイント |
| タテスク版(ブックライブ・シーモア) | 1〜3巻 0円、4〜7巻 各66円 = 264円 |
差が大きいのが特徴です。単行本は1,210円、めちゃコミックの話読みは10話で500pt、タテスク版は無料の3話を除くと4話分で240ポイント。タテスク版は全7話で、レビューには結末への感想も並んでいます。
Renta!のレビューには「先が気になって面白くはあったけれど、値段には見合わないと思いました」という声があります。176ページで1,210円という価格が気になる人は、タテスク版から入るのが現実的です。縦スクロール・フルカラーなので、紙の4コマとは読み味が変わります。
続きを読むなら|Renta!のタテスク版は3話まで無料
結末を知ってから第5回の弁当の場面に戻ると、有紀ちゃんの笑顔の意味が変わります。飲み会の「友達の話」も、ノボルの優しい挨拶も同じです。答えを知ったあとの2周目のほうが怖い作品なので、通して読める形で手元に置く意味があります。
- Renta!|タテスク版は全7話で、1〜3話が無料、4話以降は1話60ポイント。単行本版は1,100ポイント(購入のみ)
- ブックライブ|単行本版は1,210円(税込)で、1冊で最後まで読める。ブラウザで試し読みができる
- どちらも会員登録は無料
価格や配信状況は変わることがあるので、最新は公式ページでご確認ください。
評価は★3.9〜4.3|低評価は「作品」より「ママ友」に向いている
レビューがいちばん多いのは、めちゃコミックの単行本版で1,888件です。
| めちゃコミック 単行本版 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| ★5 | 568件 | 30% |
| ★4 | 727件 | 39% |
| ★3 | 498件 | 26% |
| ★2 | 71件 | 4% |
| ★1 | 24件 | 1% |
★4と★5で7割近く。★1と★2は合わせて95件、全体の5%です。平均が3.9にとどまるのは、★3が4分の1を占めるからです。「面白いが、人には勧めにくい」という読後感が、数字にそのまま出ています。
Renta!では、単行本版が★3.9(購入者の星は★5 24件・★4 32件・★3 26件・★2 5件・★1 0件)、タテスク版が★4.4(★5 23件・★4 10件・★3 5件・★2 1件・★1 0件)。星の数は、タテスク版のほうが高く出ています。
★1〜2の95件が書いていること
めちゃコミックの★1・★2の95件を読むと、不満は4つに分かれます。本文に含まれる語で数えると次のとおりです(1件が複数に入ります)。
| 理由 | 件数 |
|---|---|
| 読後が暗い・後味が悪い・モヤモヤする | 16件 |
| ママ友にそこまで話さない・距離が近すぎる・暇すぎる | 13件 |
| 子どもを置いていくのが許せない・ツバサ君がかわいそう | 9件 |
| 話が進まない・しつこい | 8件 |
「ただの同じ幼稚園に通う親の繋がりでしょ?(中略)家庭の事情をそこまで話せるわけないでしょ?」(★1)
「後味が悪すぎる…子供捨てて勝ち組っていえる神経がわからない… ツバサくんがただただ可哀想…」(★2)
2番目の不満には、言い返したくなります。「ママ友にそこまで話すわけがない」は、作中で友子がすでに言っているからです。第11回の「仲良しだったけど 全部知ってるなんてありえないし」「それでいいんじゃないの?」。作品は「ママ友なら何でも話すべきだ」とは一度も言っていません。話さなかった結果、何が見えなくなったかを描いています。この不満は、作品への反論というより、作品と同じ意見です。
一方、3番目の「子どもを置いていくのは許せない」には、私も半分うなずきます。事情を全部知ったあとでも、ツバサ君を残したことは消えません。有紀ちゃんに同情しきれないように作ってあるところが、この作品の厳しさです。
★2には「共感できる」「続きが気になる」と書かれた好意的な感想もかなり混ざっています。はっきり拒否しているのは、95件のうちの一部です。
スカッとはしない|誰も裁かれず、いちばん小さい子が残される
当ブログは、スカッとする復讐漫画を中心に扱っています。その物差しで言えば、本作は対象外です。
- 義母の綾子と夫のノボルは、何も失いません。謝る場面も、責められる場面も、公開されているあらすじにはありません
- 有紀ちゃんは復讐をしません。逃げて、別の場所で暮らしはじめるだけです
- 代わりに描かれるのは、加害の手口の細かさです。弁当を作る、送り迎えをする、一緒に寝る。ひとつずつは親切にしか見えないことの積み重ねで、母親が家の中から消えていきます
制裁までの距離を測ろうにも、制裁そのものがありません。その代わり、加害者のやり口は具体的です。怒鳴りも殴りもしない加害がどう進むのかを読みたい人には、重く刺さります。
親どうしの関係が壊れていく作品なら、あわせて読みたい2作
- 『娘はいじめなんてやってない』|同じKADOKAWAのコミックエッセイ。子どものいじめをめぐって、2つの家族の母親の目線が交互に進みます。誰も裁かれずに終わるところも本作と同じです
- 『おちたらおわり』|子どもを介した親どうしの関係が壊れていく物語。保護者のあいだで噂が広がる怖さが本作と重なります
スカッとする結末の作品を探しているなら、スカッとする復讐漫画のおすすめまとめから選べます。
全話数・ツバサ君・映画について、よく聞かれること
Q. 『消えたママ友』は全何話ですか?
A. 単行本は全1巻・全7章です。レタスクラブの無料公開は全25回、めちゃコミックの話読みは全10話、タテスク版は全7話と表示されますが、区切り方の違いです。レタスクラブの25回は抜粋で、結末は入っていません。
Q. 有紀ちゃんはなぜ消えたのですか?
A. 義母に育児を取り上げられ、夫に相談しても「わがまま」と返され、家に居場所をなくしていました。そのうえパチンコで作った借金が見つかり、義母と夫に「出ていけ」と言われて家を出ています。
Q. ツバサ君は最後どうなりますか?
A. 父と祖母のもとに残ります。レタスクラブのあらすじは「周囲の大人がゾッとするような行動を見せるようになって」と書くにとどめ、最後の場面は伏せています。
Q. 映画化されていますか?
A. 2026年10月7日時点で、KADOKAWAの作品ページにも各配信サイトにも、映像化の告知は出ていません。
Q. 実話ですか?
A. 公式の紹介は「ミステリーコミックエッセイ」で、実話とは書かれていません。作者の野原広子さんはレタスクラブのインタビューで、仲の良かったママ友と小さなことで喧嘩別れした経験があると話しています。
Q. どこで読めますか?
A. 冒頭の25回分はレタスクラブで無料公開されています。最後まで読むなら、Renta!のタテスク版(3話まで無料)か、ブックライブの単行本版が1冊で完結します。Renta!には単行本版もあります。
答えの出ない話を読みたい人に向く。制裁を見たい人には向かない
- 向いている人|保育園や学校で、親どうしの付き合いに気をつかっている人。「あの人は恵まれている」と誰かをうらやんだことがある人。読み終えてから最初のページに戻りたくなる作品が好きな人
- 向かない人|悪い側がはっきり裁かれる結末を求める人。子どもが傷つく描写がつらい人。読後に気持ちを軽くしたい人
まずはレタスクラブの無料公開か、タテスク版の無料の3話で、絵柄と4コマの間が合うかを確かめるのがおすすめです。私が読むのをやめられなくなったのは、第5回の弁当の場面からでした。
『消えたママ友』の結末を6行でふり返る
- 有紀ちゃんが4歳のツバサ君を置いて姿を消し、保育園では「男と逃げた」という噂が広がる
- 春香・ヨリコ・友子は、それぞれ有紀ちゃんから聞いていた一言を誰にも話していなかった
- 3人の仲は子どもどうしのもめごとで壊れ、ひとりになった春香が隣町のキッチンカーで有紀ちゃんを見つける
- 有紀ちゃんは義母に育児を取り上げられ、夫には「わがまま」と言われ、家に居場所がなかった
- ママ友には話さなかった本当のきっかけは、パチンコで作った借金。義母と夫に「出ていけ」と言われて家を出た
- 義母と夫は裁かれず、有紀ちゃんは別の場所で暮らし、ツバサ君だけが残される


