※本ページはプロモーション(広告)を含みます。
「母は人を殺していない」——それを証明するためだけに、七桜は憎むべき相手の家へ嫁ぎます。
『私たちはどうかしている』は、老舗和菓子屋・光月庵で起きた15年前の殺人事件をめぐる復讐サスペンスです。全19巻で完結済み。Renta!のレビューは4.5(1,781件)で、当ブログで扱ってきた作品の中でも群を抜いた評価を集めています。
この記事では、15年前に高月樹を殺した真犯人が誰だったのか、そして七桜と椿がどこへ行き着いたのかを、結末までネタバレで解説します。
そしてもうひとつ。2020年の日本テレビ版ドラマと、原作漫画では犯人が違います。ドラマを見て「あれで終わり?」と思った人ほど、原作を読む価値があります。その違いも後半でまとめました。
作品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | 私たちはどうかしている |
| 著者 | 安藤なつみ |
| 掲載 | BE・LOVE(講談社) |
| 連載期間 | 2016年24号〜2021年9月号 |
| 巻数 | 全19巻・完結 |
| ジャンル | 復讐・サスペンス・和菓子・ラブストーリー |
| 主人公 | 花岡七桜(はなおか なお) |
| Renta!評価 | 4.5(1,781件)/殿堂入り |
| 実写化 | 日本テレビ系ドラマ(2020年8月12日〜9月30日) |
| 続編 | 新婚編、および『妻恋い』が続刊中 |
あらすじ(ネタバレなし)
七桜は幼いころ、母が住み込みで働く老舗和菓子屋光月庵で暮らしていました。そこで出会ったのが、跡取り息子の椿です。
しかしある日、光月庵の当主・高月樹が殺害されます。犯人として逮捕されたのは、七桜の母でした。七桜は光月庵を追い出され、「殺人犯の娘」として生きることになります。
15年後。和菓子職人になった七桜の前に、椿が現れます。二人は和菓子の腕を競うことになり——そして椿は、目の前にいるのがかつての幼なじみだと気づかないまま、七桜に結婚を持ちかけます。
七桜は正体を隠したまま、その手を取ります。母の無実を証明するため、事件の起きた家の内側へ入り込むために。
この「復讐のための偽装結婚」という一手が、本作のすべてを動かしていきます。
登場人物
花岡七桜(はなおか なお)
主人公。和菓子職人。「殺人犯の娘」として15年を生き、母の無実を証明するために光月庵へ戻ります。名前の読みが「なお」である点は、物語の後半で意味を持ちます。
高月椿(たかつき つばき)
光月庵の跡取り。七桜にとっては「母を犯人だと名指しした少年」であり、憎しみの対象です。しかし彼自身も、自分の出生について重大な秘密を抱えています。
高月今日子(たかつき きょうこ)
椿の母であり、光月庵の女将。上品で隙のない振る舞いの裏に、この物語のすべての因縁を抱えた人物です。本作の中心にいるのは、この人です。
大倉百合子(おおくら ゆりこ)
七桜の母。殺人容疑で逮捕され、最後まで無実を訴えながら裁判の途中で倒れて亡くなります。娘への手紙に「無実」と書き残していました。この手紙が七桜を突き動かします。
多喜川薫(たきがわ かおる)/多喜川秀幸/多喜川美由紀
薫は椿の異母兄にあたる人物。父の秀幸、母の美由紀を含めたこの一家が、15年前の事件の真相に深く関わっています。
見どころ|「和菓子」が凶器にも武器にもなる
本作を他の復讐漫画と分けているのは、舞台が老舗和菓子屋であることです。これが単なる背景ではありません。
七桜が椿に近づく手段も、光月庵の内側で立場を得ていく手段も、最終的に後継者の座を勝ち取る手段も、すべて和菓子の腕です。暴力でも金でもなく、職人としての実力だけで敵の家の中枢まで登っていく。この一本筋が通っているおかげで、19巻という長さでも話がぶれません。
同時に、和菓子は過去を掘り起こす装置としても使われます。ある菓子の意匠、ある味、母が作っていた形——それらが記憶と結びつき、隠されていた事実を引きずり出す。ミステリーの手がかりが全部お菓子の形で出てくる、という作りです。
正体を隠したまま同じ家で暮らすという緊張
七桜は、自分が「殺人犯の娘」だと悟られてはいけません。相手は母を陥れた張本人が女将として君臨する家です。
朝の挨拶ひとつ、菓子の切り方ひとつが、正体を露呈させる引き金になりかねない。しかも夫となった椿は、かつて「この人が犯人だ」と母を指差した張本人でもあります。憎むべき相手と、毎日同じ食卓につく。この居心地の悪さが延々と続くのが本作の持ち味です。
さらに厄介なのが、椿が悪人ではないことです。彼は彼で、7歳のときに見た光景に縛られて生きてきました。七桜が椿を憎み切れなくなっていく——この揺らぎが、復讐譚をラブストーリーへと滑らせていきます。
【ネタバレ】15年前の事件、真犯人は誰だったのか
結論から書きます。
高月樹を実際に刺したのは、多喜川美由紀でした。
ただし、彼女は樹を殺すつもりではありませんでした。美由紀が刺そうとしていたのは、今日子です。入院していた美由紀のもとに今日子が現れ、刃物を渡して挑発した——その結果、美由紀は人違いで樹を刺してしまいます。
つまり真の黒幕は、椿の母・高月今日子です。
そして七桜の母・百合子は、まったく無関係でした。無実の罪を着せられ、それを晴らせないまま獄中で命を落としたことになります。
今日子はなぜここまでしたのか
動機をたどると、この物語の構造が見えてきます。
今日子は、多喜川秀幸と関係を持っていました。椿は、樹の子ではなく秀幸の子だったのです。
一方の樹には、百合子との間に子どもができていました。それが七桜です。樹は今日子に離婚を切り出します。
ここで整理しておくと、七桜と椿は血のつながりがありません。七桜は樹と百合子の子、椿は今日子と秀幸の子。同じ家に生まれながら、二人はどちらも「光月庵の血」に振り回された側でした。
光月庵の女将という座と、跡取りの母という立場。それを失うまいとした今日子が、美由紀という「壊れかけた駒」を使って仕組んだのが、あの事件でした。
決着——美由紀は病院へ、今日子は警察へ
真相が明らかになったあと、美由紀は病院へ、今日子は警察へ向かうことになります。
派手な断罪の場面はありません。ただ、15年かけて塗り固められた嘘が剥がれ、それぞれが行くべき場所へ運ばれていく。この静かな決着の付け方が本作らしいところです。
真犯人は分かっても、今日子が最後まで崩さない笑顔は絵でしか伝わりません。あの表情を確かめたい人は → 1巻を無料で読んでみる(Renta!)
事件の全体像を時系列で整理する
関係が入り組んでいるので、順番に並べておきます。ここを押さえると一気に見通しがよくなります。
- 今日子が多喜川秀幸と関係を持つ。生まれたのが椿。つまり椿は、戸籍上の父である樹の子ではない
- 樹と百合子の間に子どもができる。それが七桜。樹は今日子に離婚を切り出す
- 今日子が追い詰められる。離婚されれば女将の座も、跡取りの母という立場も失う
- 今日子が、入院中の多喜川美由紀に刃物を渡して挑発する。美由紀にとって今日子は、夫を奪った相手
- 美由紀が人違いで樹を刺す。狙いは今日子だった
- 百合子が逮捕される。7歳の椿が「百合子が犯人だ」と証言してしまう
- 百合子は無実を訴えたまま、裁判中に倒れて亡くなる。七桜は施設へ
- 15年後、七桜が正体を隠して光月庵へ戻る
こうして並べると、今日子は自分では一度も刃物を握っていないことが分かります。彼女がやったのは、恨みを抱えた人間の前に凶器を置き、あとは勝手に動くのを待つことだけ。だからこそ15年も嘘が保ったわけです。
そして七桜が背負わされたものの理不尽さも、ここではっきりします。母は無実で、父は殺され、家からは追い出され、犯人扱いの汚名だけが残った。彼女が復讐を選ぶのに、これ以上の理由は要りません。
七桜と椿はどうなったのか
七桜は和菓子勝負に勝ち、光月庵の後継者に選ばれます。復讐のために潜り込んだ家で、彼女は職人として認められることになります。
そして椿とも、過去の因縁を越えて結ばれます。憎しみから始まった偽装結婚が、本物の夫婦になる——これが本編19巻の着地点です。
最終19巻では、出産間近の七桜と椿が、それぞれ別の立場から菓子を作って茶会で競う場面が描かれます。かつて敵として競い合った二人が、今度は同じ家の側に立って腕を振るう。物語の始まりと同じ「和菓子勝負」で締めくくる構成です。
子どもも生まれ、二人で光月庵を継いでいく——復讐譚として始まった作品は、最後は「再建の物語」として終わります。
なお本編完結後には新婚編が描かれ、続編『妻恋い』も続刊中です。結末に満足した人が、そのまま先を読める作りになっています。
考察|今日子はなぜ屈指の敵役なのか
読み終えて残るのは、七桜でも椿でもなく今日子です。当ブログでこれまで扱ってきた作品の悪役と比べても、この人の造形は頭ひとつ抜けています。
理由は、彼女が一度も取り乱さないことです。
不倫夫や愛人が出てくる復讐漫画では、悪役はたいてい途中で崩れます。逆上したり、開き直ったり、みっともなく泣いたりする。読者はそこで溜飲を下げます。
ところが今日子は違います。女将として完璧な所作を保ったまま、人を陥れ、15年の嘘を維持し続ける。崩れないから怖いし、崩れないから最後まで目が離せません。
「女将」という座を守るための犯行
もうひとつ効いているのが、動機の生々しさです。
今日子が守ろうとしたのは、愛ではありません。光月庵の女将という立場です。夫を愛していたから殺したのではなく、女将でなくなることが耐えられなかった。老舗という器が人間をどう歪ませるかを、この一点で描き切っています。
そして皮肉なことに、彼女が守り抜いた光月庵を最後に継ぐのは、彼女が潰そうとした女の娘です。今日子がやったことは、結果として自分の望んだ未来を最も遠ざけました。
大声で断罪される場面がなくても、この構造そのものが十分な報いになっている——読み終えてから効いてくるタイプの決着です。
椿もまた、被害者だった
忘れてはいけないのが椿の立場です。
彼は7歳で父を失い、その犯人を自分が指差したと思い込んで生きてきました。しかも実際には、父を殺す原因を作ったのは自分の母で、自分は父の実子ですらなかった。真相が明らかになったとき、いちばん多くを失うのは彼です。
七桜が復讐すべき相手だと思っていた人物が、実は同じ嘘の被害者だった。この入れ替わりがあるからこそ、二人が最後に結ばれることに納得がいきます。復讐の物語が恋愛の物語に変わる理屈が、きちんと用意されているわけです。
ドラマ版との決定的な違い|犯人が別人です
ここが本作でいちばん重要なポイントです。
2020年8月12日から9月30日まで日本テレビ系で放送されたドラマ版は、原作がまだ完結していない時期に作られました。そのため結末はドラマオリジナルです。
| 項目 | 原作漫画 | ドラマ版(2020年・日テレ) |
|---|---|---|
| 樹を刺した人物 | 多喜川美由紀(今日子と間違えて) | 多喜川薫(揉み合いの末に誤って) |
| 黒幕 | 高月今日子 | 明確な黒幕は置かれない |
| 今日子の最期 | 警察へ向かう | 子どもをかばって死亡。角膜を椿に提供 |
| 結末の方向 | 光月庵の再建と出産まで描く | 和菓子勝負で決着 |
ドラマ版は「意図せぬ悲劇」として事件を描き、今日子には母としての救いを与えました。観月ありさが演じた今日子の最終回は放送時に大きな反響を呼んでいます。
対して原作は、今日子を最後まで黒幕として描き切ります。母性で回収せず、仕組んだ人間として警察へ送る。どちらが好みかは分かれるところですが、「復讐劇としての筋が通っているのは原作」だと私は思います。
ドラマの主なキャストは、花岡七桜に浜辺美波、高月椿に横浜流星、高月今日子に観月ありさ、多喜川薫に山崎育三郎。ほかにHuluオリジナルストーリー「女将の部屋」も配信されました。
ドラマ化された他のスカッと復讐漫画はドラマ化されたスカッと復讐漫画まとめにまとめています。
スカッと度は?|正直に書いておきます
当ブログの基準で言うと、本作のスカッと度は高くありません。
理由は3つあります。
- 母はもう戻ってこない——無実は証明されますが、百合子はすでに亡くなっています。取り返しがつきません
- 断罪が静か——今日子が公衆の面前で罵倒されるような場面はありません
- 物語の重心が恋愛にある——Renta!の感想投票でも「切ない」53人、「胸キュン」20人が上位で、爽快感を挙げる声は多くありません
「不倫夫が社会的に破滅する瞬間を見たい」という目的で読むと、方向性がかなり違います。そういう気分のときは、完結済みで決着の早いやっとお前が地獄に行くとこ見れるねのほうが確実です。
逆に本作が刺さるのは、「嘘が剥がれていく過程」そのものを味わいたい人です。今日子という人物の完成度が高く、彼女が崩れるまでの19巻には、他の復讐漫画にはない密度があります。
読者の評価|レビュー1,781件で4.5
Renta!での評価は4.5(1,781件)。当ブログで紹介してきた作品の中で、レビュー数・評価ともに最高クラスです。「殿堂入り」タグもついています。
感想投票の内訳は「切ない」53人/「胸キュン」20人/「泣ける」7人。読者がこの作品に何を求めて、何を受け取っているのかがはっきり出ています。復讐譚でありながら、残るのは切なさなのです。
1巻175ページというボリュームで19巻。長編ですが、和菓子の描写が美しく、読んでいて飽きが来ません。
似ている作品・あわせて読みたい
- かんかん橋をわたって/全10巻完結。同じ「家の中の理不尽」を描く嫁姑もの。町ぐるみで嫁いびりが制度化された村が舞台で、こちらは決着がはっきりしています
- レプリカ 元妻の復讐/正体を隠して敵の懐に入るという構造が本作と似ています。ただしこちらは徹底的に叩き潰すタイプ
- おちたらおわり/爽快感より「怖さ」が残るタイプ。本作の後味が好きだった人に
- 余命3ヶ月のサレ夫/泣ける復讐劇。「切ない」が刺さった人はこちらも
『私たちはどうかしている』を読む方法
結末を知ったうえで1巻から読み返すと、今日子の何気ないひとことが全部違って見えます。この作品は特にそのタイプで、真相を知ってからの2周目に強い仕掛けが効いています。
Renta!では1巻がまるごと無料で読めます。175ページあるので、合うかどうかは十分に判断できます。
- 1巻が無料/試し読みではなく1冊まるごとです
- 全19巻が完結済み/続きを待つ必要がありません
- 購入は1巻540ポイント/※この作品はレンタルの取り扱いがなく、購入のみです
- 会員登録は無料/購入にはポイント還元もつきます。運営19年・会員数1,100万人の老舗サービスです
価格や無料範囲は変わることがあるので、最新は公式ページでご確認ください。
感想・評価
総合 88/100(★★★★☆)
| 項目 | 点数 |
|---|---|
| ストーリー・構成 | 19/20 |
| キャラクター | 19/20 |
| 世界観・画力 | 18/20 |
| テーマの深さ | 17/20 |
| 読後感・満足度 | 15/20 |
強みは構成とキャラクターです。「復讐のための偽装結婚」という設定を19巻ぶん引っ張り切った構成力と、今日子という敵役の完成度が突出しています。和菓子の描写も美しい。
減点したのは読後感です。母はもう戻らず、断罪も静かなので、スカッとしたくて手に取ると満足度が下がります。作品の質ではなく、当ブログの読者が求めるものとの相性による減点です。あくまで一読者としての個人的な評価です。
よくある質問(FAQ)
Q. 結局、樹を殺した犯人は誰ですか?
A. 刺したのは多喜川美由紀です。ただし彼女は今日子を狙っており、人違いでした。仕組んだ黒幕は椿の母・高月今日子です。
Q. ドラマと原作で犯人は同じですか?
A. 違います。ドラマ版では多喜川薫が揉み合いの末に誤って刺したことになっています。ドラマは原作の完結前に作られたオリジナル展開です。
Q. 七桜と椿は血がつながっているのですか?
A. つながっていません。七桜は樹と百合子の子、椿は今日子と多喜川秀幸の子です。
Q. 完結していますか?
A. 本編は全19巻で完結しています(2021年)。その後に新婚編が描かれ、続編『妻恋い』も続刊中です。
Q. スカッとしますか?
A. あまりしません。真相は暴かれますが母は戻らず、断罪も静かです。爽快感が目的ならやっとお前が地獄に行くとこ見れるねのほうが向いています。
Q. どこで読めますか?
A. Renta!で全19巻が配信されており、1巻は無料です。なおこの作品はレンタルの取り扱いがなく、2巻以降は購入(540ポイント)になります。
こんな人にぴったり
- ドラマ版を見て、原作の結末が気になっている人
- 敵役に厚みのある作品が好きな人(今日子は屈指の完成度です)
- 復讐そのものより、嘘が剥がれていく過程を味わいたい人
- 長編をじっくり読みたい人(全19巻・完結済み)
まとめ
- 樹を刺したのは多喜川美由紀。ただし狙いは今日子で、人違いだった
- 仕組んだ黒幕は椿の母・高月今日子。七桜の母・百合子は完全に無実だった
- 美由紀は病院へ、今日子は警察へ。七桜は光月庵の後継者となり、椿と結ばれる
- ドラマ版は犯人が別人(多喜川薫)。原作完結前に作られたオリジナル結末
- スカッと度は高くないが、敵役の完成度と構成力は当ブログ最高クラス
ドラマで止まっている人にこそ、原作の結末を見届けてほしい作品です。まずは1巻を無料で読んで、今日子の笑顔を確かめてみてください。
他の作品も探すならスカッとする復讐漫画のおすすめまとめもどうぞ。


